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無線センサーネットワークによる「見える化工場」の実現

1. 進化し続ける「見える化工場」

(1)HMI商品の動向
昨年11月に開催された、システムコントロールフェア2005で各メーカーとも、グローバル化する工場向けに、情報技術機能を搭載したHMI商品を発表している。今回各社の動向で共通している点は、「商品を提供する時代から機能を提供する」時代に変わったこと、2年前まで流行した「ソリューション」の標語が、現場で役立ち、且つ国際競争力に勝つ為のより具体的な結論を,顧客が求め始めた事を反映した商品となっている。制御製品を中心としたA社では、HMI表示器をPACの集中操作機能として位置付けている。PLC、モーションコントロール、インバーターなどのコンポネンツの各設定はもとより、状態表示、トレーサビリティの管理までを、ネットワーク接続環境で、一元管理(コックピット化)出来るような構想を打ち出している。

HMI表示器を中心としたB社では、作業者にマルチメディア化した製品で利便性を上げる機能を登載した。

米国,中国市場中心から国内市場の拡販を狙うC社では、HMI表示器のOSとしてWindows/CEを登載し、「見える化工場」適用をワールドワイド展開する戦略が目に付いた。
「グローバル&コクピット」を基本概念とする製造業界の動きの中、2007年問題を前に「見える化工場」の実現も、トレーサビリティ管理を含め、核心的な計測と認識部のセンサー情報システムとの融合実導入で、熟練者の技能を継承する機能を確実に捕えたROI製品が今後注目される。

(2)グローバル化で今後最も必要なアナログ情報の入手
製造の管理者はグローバルに展開している生産設備、製造装置から、コップピット側としての情報を収集する事が重要な任務となる。現在の技術をもってすれば、必要なインフラが整った事により、かなりの情報を集める事が可能となった。インターネットの普及、LAN環境の整備、通信の高速化、セキュリティシステムの出現、コンポネンツのプロトコ-ルの標準化などである。かつて費用面と技術面で不可能であった、現場のアクセスポイントからのセンシング情報を、より大規模に且つリアルタイムに情報収集する事で、質が高く精度の良い製品の製造,品質管理、環境管理が可能をなった。

(3)無線センサーネットワークの実用化(無線モジュールZigBeeの可能性)
現場を担当、誰もが理想とする情報収集手段は無線技術導入で有る。昨今携帯電話、PHS、RFID、車のキーレスエントリーをはじめ、多くの無線技術が身近に存在し、いまや無くてはならない技術となった。今回ご紹介する「超小型低消費電力無線組み込みモジュール」は、二次元で展開していた情報収集を三次元の世界へと領域を広げ、製造現場の「見える化」実現の可能性をより深く、確かにする技術として注力される。
定量的な計測を追及する計測センサーと、より高度な認識率を追及する認識センサーを融合させる事により、インテリジェントな「見える化」が実現できる。

2. 無線センサーネットワーク

(1)適用出来るアプリケーション

①センサーネットワーク(メッシュネットワーク)
②環境・保全監視  環境モニタリング
③移動体との通信
④省配線として
⑤複数装置からのデータ収集
⑥設備、構造物のメンテナンス管理、構造センサーによる歪、振動、加速度監視
⑦アクセスポイントからの測定データ収集

(2)主な使用方法

①データ量が比較的少なく、長時間稼働監視するようなシステムに向いている。
②電源には、ボタン電池のほか、太陽電池、風力発電などと組み合わせることも可能
③アナログ/デジタルデータ収集の他に、ON/OFF信号を制御する事も可能

(3)無線モジュールの特長

①小型、軽量、省電力で低コスト
②ボタン電池一個で長時間稼働が可能
③IEE802.15.4準拠通信を採用
④20X40基板中に、bitマイコン、2.4GHz準拠通信IC、XTAL、チップアンテナ、LED、電源IC、30ピンコネクタ、周辺回路搭載可能
⑤外部アンテナ接続可能

(4)主な仕様

①電源電圧 DC 3V~6V コイン電池で動作可能
②消費電力 送受信時 23mA以下 高周波部休止モード 3mA以下(低消費電力モード 100μA以下)
③寸法 24mm×40mm
④重量 約10g
⑤アンテナ チップアンテナ
⑥周波数 2.4GHz帯
⑦通信速度 無線区間最大250kBPS、SIO 9600bps or 19200bps

(5)微弱無線を使用したメッシュネットワーク
メッシュネットワークとは、従来の方式のように特定のアクセスポイントを持たず、無線機が中継(バケツリレー)する機能を持つことによって,電波の直接届かない無線機同士が通信を行うことが出来る方法である。無線機にセンサーやアクチュエータを付ける事によって、センシングによる計測,認識や遠隔操作を行う事が出来る。そのため,従来の方式より広範囲なエリアでの通信が出来るだけではなく、低コストで免許を必要としない無線ネットワークを構築出来る。

(6)応用例:

①生産管理システム:生産数・生産機器異常監視等の管理システムに応用
②生産環境監視システム:環境温度・排水pH等の生産現場環境の監視・管理に応用
③機器管理メンテナンスシステム:生産機器を無線ハンディー端末によって個別管理に応用

(7)稼動タクト時間監視システム:
生産機器等の稼動タクト時間を管理するシステム等に応用
生産現場製造装置のHMI表示器に無線モジュールを接続して、データを収集してサーバに集めデータを管理する。

(8)基本仕様

①管理PC
・信号状態表示機能
・通信設定機能(通信周波数設定など)
・稼働時間表示機能
②タクト時間表示
・子機からのスタートSW信号により開始時間を表示
・ストップSW信号によって停止
・キャンセル信号が伝送された場合には、グラフ表示更新時にグラフ表示がキャンセル
・グラフ表示更新時間2sec毎に表示を更新(通信応答時間に対応)
・通信エラー子機との通信がエラーの場合に反転表示
③特長・無線モジュール UM-100を搭載した無線信号伝送ユニット子機端末が中継伝送機能を搭載し、複数の端末を経由してI/O信号・アナログ信号を上位管理PC等へ伝送
・中継伝送は2段まで設定可能
・中継ルート設定は親機無線ユニットにて通信設定PCソフトより設定を行うことが可能
・各子機は自己の信号データと中継下位の信号データを合わせて上位親機へ伝送

(9)今後の課題
微弱無線を使用したメッシュネットワークは、過去に出来無かった三次元での情報収集を可能にする。如何に現場作業者が簡単に取り扱える製品にするかが今後の課題となる。

【記事】株式会社エフエイオープン
【顧問】藤平 實(ふじひらみのる)

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